幼稚園・保育園の事故ランキングでわかる本当に多い事故とは?重大事故の種類・場所・安全対策を解説

幼稚園・保育園の事故ランキングでわかる本当に多い事故とは?重大事故の種類・場所・安全対策を解説


こども家庭庁の令和6年集計では、報告件数は3,190件、負傷等は3,187件、そのうち骨折が2,537件・約80%、死亡事故は3件と公表されています。事故報告の対象は、死亡事故・意識不明事故・治療30日以上の重篤な負傷や疾病です。(消費者庁)

子どもを預けるとき、多くの保護者が気になるのが「事故はどのくらい起きているのか」「どんな事故が多いのか」という点です。

インターネットで注意したいのは、特定の園名を順位づけするランキングではなく、事故の種類・発生場所・施設種別などを正しく見ることです。

この記事では、こども家庭庁が公表している教育・保育施設等の事故報告集計をもとに、園で起こりやすい事故の傾向をランキング形式でわかりやすく解説します。

ポイント

  1. 園事故で最も多い負傷は「骨折」
  2. 重大事故は施設内、とくに室内・園庭などで多く発生している
  3. 死亡事故では睡眠中や食事中の安全管理が重要
  4. 園名ランキングではなく、事故の種類や発生場所を見ることが大切

幼稚園・保育園の事故ランキングでわかる重大事故の実態

幼稚園・保育園の事故ランキングでわかる重大事故の実態

事故を考えるときは、「どこの園で起きたか」よりも「どんな事故が多いのか」「どの場面で起きやすいのか」を見ることが大切です。

こども家庭庁の事故報告集計では、死亡事故・意識不明事故・治療に30日以上かかる負傷など、重大な事故が集計されています。ここでは事故の傾向をランキング形式で整理します。

事故の報告件数はどれくらいある?

令和6年の教育・保育施設等における事故報告件数は合計3,190件。

この数字には、認可保育所、認定こども園、幼稚園、認可外保育施設、放課後児童クラブなどが含まれています。

つまり「子どもを預かる教育・保育施設全体」の重大事故報告です。

これは事故の傾向を知るための重要なデータです。

事故内容ランキング1位は骨折

事故内容で最も多いのは「骨折」です。

負傷等3,187件の内、骨折は2,537件で全体の約8割を占めており、施設で報告される重大な負傷の中心は骨折であることがわかります。

事故内容のランキングは、以下のようになります。

順位事故内容件数
1位骨折2,537件
2位その他627件
3位意識不明13件
4位火傷10件
参考死亡3件

骨折の背景には、子どもが走る、登る、ジャンプする、転ぶといった日常の動きがあります。特に園庭、遊具、階段、室内の段差などは注意が必要です。

施設種別ランキングでは認可保育所が多い

施設種別で見ると、事故報告件数が最も多いのは認可保育所です。

順位施設種別件数
1位認可保育所1,449件
2位放課後児童クラブ761件
3位幼保連携型認定こども園618件
4位保育所型認定こども園116件
5位幼稚園79件

ただし、件数が多いから危険という意味ではありません。認可保育所は施設数や利用児童数も多いため、報告件数も多くなりやすいと考えられます。

ランキングを単純な件数だけで判断せず、利用者数や施設数も含めて考えることが大切です。

発生場所ランキングでは施設内が多い

事故の発生場所を見ると、施設内での発生が多い傾向があります。

令和6年のデータでは、事故発生場所は以下のように整理できます。

順位発生場所件数
1位施設内の室外1,451件
2位施設内の室内1,402件
3位施設外337件

施設内の室外とは、園庭や屋外活動スペースなどが含まれます。室内と室外の件数は近く、どちらも安全対策が必要です。

「室内だから安全」「園庭だから危険」と単純に分けるのではなく、子どもの動きが活発になる場所では常に事故が起こる可能性があります。

施設内の安全対策を考えるうえでは、トイレや水まわりの安心感も大切です。子どもが園のトイレを怖がる理由については、どうしてトイレを嫌がるの?もあわせて参考にしてください。

年齢別では5歳前後の事故報告が多い

年齢別では、5歳の事故報告が多くなっています。

令和6年の集計では、5歳が801件、4歳が526件、6歳未就学が439件、3歳が349件でした。

年齢件数
5歳801件
4歳526件
6歳未就学439件
3歳349件

年齢が上がると行動範囲が広がり、走る・登る・跳ぶなどの動きも大きくなります。そのため、転倒や転落による骨折リスクが高まりやすいと考えられます。

一方で、0歳・1歳など低年齢児は件数だけで見ると少なく見えますが、睡眠中や食事中の事故には特に注意が必要です。

死亡事故で注意したい場面

令和6年の死亡事故は3件報告されています。

死亡事故の状況を見ると、睡眠中が2件、食事中が1件でした。

このことから走る・転ぶ・遊具で遊ぶ場面だけでなく、午睡中や食事中の見守りも重要です。

特に乳幼児は、自分で異変を伝えることが難しいため、呼吸確認、寝具の状態、食事中の姿勢、誤嚥防止など、日常の細かな管理が事故防止につながります。

事故ランキングから考える安全対策と園選びのポイント

幼稚園・保育園の事故ランキングから考える安全対策と園選びのポイント

事故ランキングを見る目的は、不安をあおることではありません。

大切なのは、どのような事故が多いのかを知り、園側・保護者側の双方が安全対策を考えることです。

ここからは、事故ランキングをもとに日常の安全確認で見ておきたいポイントを解説します。

また、安全対策だけでなく、園の魅力を保護者にどう伝えるかについては、どこも同じじゃない!園の魅力の伝え方でも解説しています。

遊具事故ではすべり台・鉄棒・雲ていに注意

遊具事故の分析では、事故件数が多い遊具として、すべり台、鉄棒、雲てい、ブランコなどが挙げられています。

特にすべり台では、階段から足を踏み外す、逆から登って転落する、近くを通っている子と衝突するなどの事故が起こりやすいとされています。

雲ていでは、手を滑らせて転落する、棒をつかみそこねる、着地に失敗するなどの事故に注意が必要です。

ブランコでは、動いているブランコに近づいて衝突する、鎖から手を離して転落するなどが代表的な事故例です。

遊具そのものが危険というよりも、遊び方、見守り、周囲のスペース、安全ルールの共有が重要になります。

園見学で確認したい安全ポイント

園見学で確認したい安全ポイント

園を見学するときは、雰囲気や教育方針だけでなく、安全管理も確認しておきたいポイントです。

見ておきたいのは、以下のような点です。

安全ポイント

  1. 園庭や遊具の下にクッション性があるか
  2. 段差や角に安全対策がされているか
  3. 子どもが走る導線に障害物がないか
  4. 午睡中の呼吸確認ルールがあるか
  5. 食事中の見守り体制があるか
  6. 事故が起きたときの連絡体制が明確か

見学時に「事故が起きた場合はどのように保護者へ連絡されますか?」と聞くのも有効です。

きちんと説明してくれる園は、安全管理への意識が高い可能性があります。

安全面だけでなく、園見学で保護者がどのような点を見ているかについては、保護者が幼稚園・保育園を決める理由ベスト5でも詳しく解説しています。

保育士だけに頼らない家庭での事故予防

園の事故対策は、園だけが行うものではありません。

家庭でも、子どもに基本的な安全ルールを伝えておくことが大切です。

たとえば、遊具では順番を守る、すべり台を逆から登らない、ブランコの前を通らない、食事中に歩き回らないなど、日常の中で繰り返し伝えることが事故予防につながります。

また、靴のサイズが合っていない、服のひもが長い、フード付きの服が遊具に引っかかるといったことも、事故の原因になる場合があります。

家庭でできる小さな確認も安全につながります。

事故が起きたときに確認すべきこと

万が一、事故が起きた場合は、感情的にならずに事実を整理することが大切です。

確認したいポイントは以下です。

どこも同じじゃない!園の魅力の伝え方も参考にしてください。

確認ポイント

  1. いつ、どこで起きたのか
  2. 誰が見守っていたのか
  3. どのような状況で事故が起きたのか
  4. 園はどのような応急対応をしたのか
  5. 病院受診や保護者連絡は適切だったか
  6. 再発防止策は説明されたか

事故後の対応が丁寧かどうかは、園の安全意識を判断する重要なポイントです。

事故そのものを完全にゼロにすることは難しくても、事故後に原因を確認し、再発防止策を取ることはできます。

幼稚園・保育園の事故ランキングのポイントまとめ

幼稚園・保育園の事故ランキングのポイントまとめ

記事のポイントをまとめると、以下の通りです。

  1. 事故内容では骨折が最も多い
  2. 施設種別では認可保育所の報告件数が多い
  3. 発生場所は施設内の室外・室内が多い
  4. 死亡事故では睡眠中と食事中への注意が必要
  5. 遊具ではすべり台、鉄棒、雲てい、ブランコに注意
  6. 園名ランキングではなく、安全対策の確認に活用することが大切

園は子どもが成長する大切な場所です。

大切なのは、どのような場面で事故が起きやすいのかを知り、園と家庭が一緒に安全意識を高めていくことです。

事故ランキングは、怖がるための情報ではなく、子どもを守るための情報として活用してください。

遊具事故については、産総研・日本スポーツ振興センターの分析で、事故件数の多い遊具として「すべり台、鉄棒、雲てい、ブランコ」が示されています。ただし同資料は、設置数や使用時間が不明なため、件数だけで遊具の危険度を断定できないとも注意しています。(airc.aist.go.jp)

参照リンク

本記事では、以下の公的資料・関連資料を参考にしています。

・こども家庭庁「教育・保育施設等における事故報告集計」
https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety/effort/shukei

・こども家庭庁「令和6年教育・保育施設等における事故報告集計」
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/09ff22a3-6df4-4a78-a4cf-2e48a03ec835/82f90bbf/20250728_press_09ff22a3-6df4-4a78-a4cf-2e48a03ec835_01.pdf

・東京都「子供の事故情報データベース」
https://kodomo-safety-db.metro.tokyo.lg.jp/

・東京都「教育・保育施設等における事故発生状況」
https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/hoiku/jikoboushi/jikohasseijokyo

・産業技術総合研究所「保育所・幼稚園における遊具による事故の分析」
https://unit.aist.go.jp/hiri/ci/service/papers/child_accident_playground.pdf